本文へスキップ

難関医学部合格に役立つ学習理論や各種情報を扱った総合情報サイト

化学の学習における大原則・注意点学習に取りかかる前に

化学の学習を進めていくにあたっての大原則

※このページでは化学の学習を進めていくうえでの大原則・あらかじめ心得ておくべき事項をまとめております。次の項目で具体的な学習法を説明していきますが、その前提となる基本ルールをここで習得しておきましょう。

★大原則1:初修の段階ではとにかく理論化学の内容理解を重視した学習を行う。これにより無機・有機分野の学習がスムーズに進む。

※受験化学は大別して【理論化学】【無機化学】【有機化学】の3分野に分かれております。たいていの参考書・問題集ではこの順に編集が為されております(たまに理論⇒有機⇒無機の編集順の参考書もある)。初めて化学の学習に取り掛かる場合は、原則的に理論化学から開始して⇒無機⇒有機の順に進んでいきましょう。
また、理論化学分野は初修時は基本事項からして難しいかもしれませんが、完全でなくてもよいのでここで頑張って理解することに努めましょう。なぜなら理論化学分野は受験化学の全分野に内容的にリンクしており、しっかりと理解しておくことにより、無機分野・有機分野の反応の多くを理論立てて理解でき、その結果暗記量が減りかなりスムーズに学習が進められるようになるからです。
逆に理論化学の理解が不十分なまま無機・有機の学習に取り組むと、単なる文字・数式の羅列の暗記を強いられ、化学の勉強が単なる苦行となるので注意してください。


★大原則2:
初修、あるいは化学が苦手な場合は必ず講義型参考書(いわゆる導入書)から学習を開始する

※物理とは違い現象に関する理解が容易(要は原子・分子・粒子の挙動によるもの)なため、適切な導入書があれば自学自習により化学の基本事項をしっかり理解出来ます。ゼロレベルから学習を開始される場合および化学に極端な苦手意識がある場合は、いきなり背伸びして問題集に取り掛かろうとせず、基本事項の把握のため導入書の熟読からしっかりと取り組んでいきましょう。まさに「急がば回れ」で、化学の学習はちょっとした取っ掛かりがあればそれ以降の学習が一気に進むものなので、ここで焦る必要は全くありません。

★大原則3:問題演習を積めば積むほど実力が付くという確信をもってその努力を惜しまないこと

※ただし、ルール2で説明したように初修の方は講義型参考書を一度通読することにより大まかに(7割程度でよい)受験化学のエッセンスを理解してから初めの問題集(後に詳述)に取り掛かるようにしないと学習の効率が悪くなります。問題集に取り掛かるべきレベルに達したらあとはひたすら演習を重ねていくだけです。それも数学と比べればはるかに演習量は少なくて済み、内容としてもいわば「化学的考え方を身につけるだけ」の極めてシンプルなものです。簡単に学習が進むはずです。
努力に比例して実力を伸ばしていけるお得な科目ですので、あくまでオーバーワークとならない範囲で出来る限りの演習を積んでいきましょう。

★大原則4:高踏趣味に走るよりも、志望校に応じたレベルに達した時点で学習を終えるといった効率性も必要

※受験化学は物理と同じで、時には大学内容にまで踏み込んだ徹底した学習を実践するにより完全マスターすることも理論上可能ですが、そのために要する労力は凄まじく、他の科目との兼ね合いも考えるとそれは決して効率のよい受験勉強とはいえません。志望校の出題難度(出題傾向)に応じて、必要十分なレベルに到達した時点で学習を終えるという、受験勉強上の効率性も必要となります。

★大原則5:多くの医学部受験生が使っている参考書・問題集と同じものを教材として用いるようにして、決して奇を衒わないこと

化学は他の理系科目と比較して、堅実な学習ノウハウが確立しており、それに則って学習するだけで誰でもトップレベルまで学力を伸ばせます。現実に受験生間で差がついているのは、能力差などによるものではなく、単にノウハウを把握したうえできちんと実行して(努力を重ねて)きたかという効率面・戦略面の差に過ぎないのです。


●以上が化学の学習の基本ルールとなります。一気に要約すると【学習ノウハウをしっかり把握したうえで、決して焦らず着実に努力を続けていけばよい】ということになります。
それでは、次からは具体的な学習法について詳細に解説していきますので、しっかりと熟読して吸収していきましょう。