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1回生の学生生活履修内容紹介と裏ワザ

1回生の履修内容紹介とアドバイス

※医学部合格後、1ヶ月経たずして入学式が催され新たな学生生活の始まりとなります。遠方から入学された方々は特に下宿先の手配やら引っ越しやらで息をつく暇もないことでしょう。
しかし4月頭より早速、部活動の練習や人間関係の形成といった活動と並行して、学業のスムーズなスタートに向け動いていかなければなりません。多少しんどいと思いますがここが踏ん張りどころです。1ヶ月も経過すれば週間の授業サイクルのも適応し、手の抜き方など要領もつかめてくるでしょう。
それでは1回生の履修内容と学生生活全般のアドバイスについて述べていこうと思います。

★一般教養課程と履修手続き
教養課程は総合大学であれば期間は大抵2年間と定められておりますが、多くの私立大学や単科医科大学を中心にこの過程がわずか1年間(1回生時のみ)に短縮されている大学もあります。
一般教養課程には前期授業開始時における履修手続きが不可欠です。履修手続きをせずに授業を受けたり試験を受けても単位取得資格は認められませんので注意が必要です。履修手続きの期間は大抵は4月末までとなっており、授業を複数回お試しで受講したうえ、履修の是非を吟味する猶予があります。数回したがって4月は履修手続きについて慎重に検討していく月間となります。

★早期臨床体験実習(アーリーエクスポージャー)
人間性の豊かな医師を育成することを目的に、早期より臨床現場に触れさせるという試みがほぼ全大学で実施されるようになりました。多くは早期体験実習という名目にて、夏季休暇などのうち1週間ほどの短期間日程で実施されております。実習内容は、大学病院の診療や手術現場の見学や、患者とのコミュニケーションや介助といった奉仕活動などとなります。
1回生の期間は教養課程の履修や部活動に忙しく、積極的に行動しない限り医療の現場に直接触れる機会もないので、自身が医学生であることをとかく忘れがちです。この早期臨床体験実習は1回生の時期で唯一の臨床現場を体験するチャンスであり、医師としてのモチベーションを再確認させてくれる契機にもなります。是非とも有意義に過ごしましょう。


◆一般教養科目履修のアドバイス

★アドバイス1:教養科目の単位は前期で取れるだけ取っておくスタートダッシュ型が進級上安全である

※大抵の大学では2回生までに教養科目を揃えれば良いというようになっていたと記憶しております。しかし、教養科目に2年の猶予があるとはいえ、2回生からは解剖実習などの専門科目も本格的にスタートしますので、2回生まで主要教養科目を残した状態でハードな専門科目と教養科目を掛け持ちするというような状況はかなり危険と言えます。したがって1回生のうちに教養科目の大半を取得しておくこと(残り教科は精々文系科目のみにしておく)が大原則となります。しかしさらに注意しておきたいことが一点あります。教養科目のうち理系科目については前期授業のうちに大半を揃えておくべきであるということです。理系科目の単位取得の難易度は文系科目とは比べものになりません。さらに理系教科の後期授業は前期授業よりも難易度が格段に上がり、単位取得もハードルが一段と高くなります。
せめてまだ難易度がマシな前期授業のうちに単位を揃えておかないと後期授業まで縺れ込んだ時に確実に後悔することになります。受験から解放されて羽を伸ばしたい気持ちは十分に理解出来ますが、ここは今しばらく我慢して前期授業の間は教養理系科目制覇に乗り出しましょう。試験期間後は長い夏休みのご褒美が待っています。

★アドバイス2:教養科目は単位取得の意思の有無に関わらず週25コマ分全て埋め尽くしておくこと

※これには希望的観測も含めたいくつかの理由があります。最も重要な事実として、「履修登録をしている限りは合格可能性はゼロではない」ということがあります。私自身の体験で恐縮ですが実例をご紹介します。医学部専門科目の授業と同一時間帯に実施されていた教養科目(文科系科目でした)を単に埋め合わせの気分で何の期待も込めずに履修登録だけしていました。専門科目は出席必須であったため当然その教養科目の授業に出るわけにはいかず、期末試験も未受験でした。それにもかかわらず、後日成績表を確認したところ、判定は「優」でした。不安になって教務に問い合わせたのですが結果に間違いはありませんでした。こういった事もごく稀にですがあるのです。
さらに真面目な理由として、リスクを分散させるという意義もあります。必要単位数とちょうど同じ分だけ授業を取るというのでは、いささかリスクマネージメント力不足と言わざるを得ません。
大学の単位取得にあたっては、試験の出来不出来はもちろん、複数科目で試験日がバッティングするなど、様々なアクシデントが想定されます。勤勉な態度のみで乗り切れるという保証はありません。したがって、授業のコマ数は最大限に埋めることで保険をかけておくことが望ましいといえます。
ただし、注意点が一つあります。将来(1回生の時点からでなく、可能性として数年先に)自治体や団体などから奨学金を受給することを考えておられる方はこのような授業の取り方はあまりお勧めしません。
奨学金の認定基準に学業成績が加味されることが多く、教養科目とはいえ、やたら「不可」を量産するようでは良い印象を与えないからです。1回生から奨学金の受給を受ける方はその点あまり心配ないと思います。1回生の場合、奨学金の認定は大抵フリーパスであり、その後も進級できている限りは教養科目の成績などについて問われることはありません。

★アドバイス3:出席点だけで合格できる科目・レポートのみで合否判定をする科目はかなりオイシイので必ず履修登録しておくこと

※一発試験で合否判定をする科目(理系科目に多い)は授業をサボっても、それだけで不合格にされたり減点されることは無いという大きな利点がありますが、素点で60点を超えないと原則的に不合格となるというルールはかなり厳しいといえます。
文系科目を中心に、出席点のみで合否判定をする科目・出席点だけで60点(合格ライン)を獲得できる科目は多くあります。このような科目は積極的に履修登録しましょう。試験により合否判定をする科目と比べコストパフォーマンスが段違いです。大学生は生活が不規則となりますので、決まった曜日の日時に確実に出席するということすら容易に達成できなくなっているかもしれませんが、頑張って毎回顔を出しましょう。【オンタイムでその場に居る】というのは5回生からの臨床実習において最も必要なスキルです。その練習をこの機会にしておきます。出席さえすれば寝ていてもよいので頑張りましょう。

★アドバイス4:集中講義は単位が足りない人の為の最後の砦である

※集中講義が実施されているのは総合大学が多いようですので、このアドバイスについて全く無関係な大学もありますことをここでお断りしておきます。
集中講義とは前期末あるいは後期末に1日当たり2〜4コマぶっ通しで、3〜5日間連続でまとめて講義(実験)が行われる短期完結型の講義を指します。原則的に全て出席することで試験無しで単位が与えられるので確実に単位を稼ぐ手段として重宝されます。