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模試で結果を出すための重要事項模試で高得点をとるために

模試で結果が出せるテクニックと重要な心構え

★問題集を用いた普段の勉強では滞りなく問題が解けるのに、模試になると途端に解けなくなる受験生は非常に多いです。ここではその原因について考え得ることを解説することから始め、どうすれば緊張感のある試験の場で最大限の結果(点数)を出すことができるかをアドバイスしていきます。
なぜ、「模試」で結果を出すことをテーマにしているのかといいますと、別に入試本番を視野に入れてもよかったのですが、模試が「入試の予行演習」の役割を持っており、そこで「最大限の結果を出すべく」策を講じて実際にそれに見合った結果を出しておくことが本番への有効なイメージ作りとなると考えたからです。
それでは模試で思うように実力発揮が出来ない原因から考えてみましょう。

まず問題集を使って問題を解く場合(日常学習)と模試や入試の場で問題を解く場合では何が異なっているのでしょうか。その最大のポイントは、「問題集を使った演習では扱っているテーマがあらかじめ分かっている」ということに尽きます。
問題集は大抵分野別に問題が分類されているため、解いている問題のテーマについてあらかじめ大体分かっています。また、1問1問特別な緊張感もなくじっくりと解くことが出来るという面もあります。
一方で模試においては4〜6問の問題がセットで出題され、厳しい制限時間が設けられます。加えて、1問1問はどのテーマについて扱った問題であるかあらかじめ知らされておらず、きちんと問題の設定を分析することで自ら把握する必要があります。
したがって、問題を分析するという習慣を日頃の学習から身につけていない受験生は必ず模擬試験特有の罠に嵌ることになります。

次に、模擬試験で実力通り・あるいはそれ以上の結果(成績)を出すために、心得ておくべき重要事項を順次解説していきます。以下の項目で一つでも実行していない部分があれば、それだけ受験において損をしていることになります。しっかりと熟読し、実行していきましょう。


★重要事項1:問題設定をしっかりと分析することで初めに用いる定石を正しく選択する
★重要事項2:1つの問題につき「1つの定石・テクニック」で解決できるという先入観を捨てる

ある程度解法テクニックや定石が身についた受験生が次に陥りやすいパターンとして、問題を見るや否や1つの解法テクニックが頭の中を支配し、そのテクニックを使って解答を押し通そうとし、それが有効な手法でない場合それに気づけずに手詰まりとなってしまうことがあります。一言でいうと「一つの解法に固執する」ということです。これは非常に多くの受験生に見られる状況です。
日常生活においてもそれは当てはまりますが、ひとつの目標に至るには複数以上のプロセスを段階的にこなさねばならず、その複数のプロセスも初めから用意されていたりあらかじめ分かっているのではなく、試行錯誤を経て自ら見つけていく必要があるのです。
初手(初めに用いる解法テクニック)を誤ることは、問題演習が十分に行えていない段階では仕方のないことですが、第2段階までの学習内容がしっかり習得できているならば、応用問題であっても問題文の分析をしっかり行うことで大抵の問題では初手として何を実行すればよいのか判別することができます。


★重要事項3:一般性について扱った目新しい設定に対しては、「簡単なケース」において「実験」し状況を把握することを怠らないようにする

※上記の重要事項1・2にも関わる事項なのですが、問題設定を分析する手法の一つとして、一般的なケースを扱った問題について、簡単な具体的数値において「実験的に」考えるというものがあります。これにより、規則性といったその問題特有の状況を把握し、解答の方針を定めていくことができる場合が多々あります。
このような手順が必要となるのは「やや難レベル」の問題に多いので、上記の重要事項1・2ほど頻繁に実行する機会はありません。しかし東大・京大レベルの問題では定番化している手法であるのでしっかりと身につけて頂きたいと思います。


★重要事項4:小問分割された問題では原則的に「1つの小問は次の小問へのヒント」となることを認識しておく

※模試の場で解答に行き詰る受験生の多くは、1つの小問を解くのに精一杯、他の小問との関連性など視界に入っていません。そもそもなぜ出題者が1つのテーマをわざわざ複数の小問に分割して出題したのかを考えてみましょう。問題の条件から結論までを問うのに、そのまま出題すればあまりに難度が高すぎて試験としての体を為さないため、小問分割して段階的に結論まで至らせようとしているのです。すなわち、いわゆる「親切心」でそのようにしていると考えたほうがいいです。したがって、前の小問で求めた・或いは示した事項を用いて次の小問を解くということは“解法テクニック以前”の事項、すなわち基本スタイル・大原則であるという認識を持ちましょう。


★重要事項5:問題の取捨選択を正しく行える様にする

※特に東大模試や京大模試といった最高峰の模試ともなると、この事項をしっかり頭に入れておくだけで偏差値・順位が全く違ってきます。東大模試・京大模試・駿台全国模試といえども、全問題の半数程度は標準〜応用問題であり、これらは確実に得点しておく必要があります。一方で、極めて深い考察や緻密な論証が必要ないわゆる難問も1題は含まれます。このような問題はいくら時間をかけて考えても結論に至ることができる保証はなく、仮に時間をかけて完全な答案を仕上げたつもりになっても論証の不備などで思わぬ大減点をされる場合が非常に多いです。加えて、他の標準問題レベルの大問が時間切れで解答出来ないという「不運の連鎖」が必然的に起こります。いっそのこと他の「標準〜やや難レベル」の大問に時間をかけた方が遥かに高い点数が出ていたという現実に落胆することになります。
そこでそのような問題に対しては初めからまともに取り合わず、いわゆる「捨て問」として扱います。
すなわちコストパフォーマンスの圧倒的に悪い問題に対し、「完全無視」・「部分点だけ確保してあとは無視」・「1番最後に回す」といった「仕分け」を確実にこなせるようにします。「難問はほとんど誰も解けない」ということは厳然たる事実ですし、そのように割り切って考えることは極めて重要です。
もちろんそのためには、どういった種類の問題がコストパフォーマンスが良いか・悪いかについて日常学習を通じてあらかじめ把握しておく必要があります。
一般的にいえば、「整数の論証問題」や複雑な設定の場合の数・確率にそのような「捨て問」が多いですが、それでも一概には言えません。しっかりと日頃の問題演習を通して経験値を積み、問題選択の勘を養いましょう。

※模試で結果を出すための重要事項は以上です。いずれもきちんと実行するには結局のところ問題演習を積むことが必要となってきますが、心掛けとして覚えておくだけでも随分と点数が違ってくると思います。是非ともこれらをご参照のうえ、模試でしっかり高得点を取ってください。