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問題作成の実情HEADLINE

問題(選択肢)がどういったルール・手順でつくられているのかを把握しましょう

★このページではセンター試験国語の問題がどのような手順を踏んで作成されているのかを、大学入試センターが公表している事項や過去に問題作成を担当したことのある人物の証言(の又聞き)をもとにまとめていき、それを踏まえ受験生はどのような方法論をもって解答に当たっていくのがベストであるのかを結論付けようと思います。このページに述べたことは次の項目(解法の大原則)への重要な布石となるため、熟読されたうえで“知識”としてしっかりと吸収してください。

●問題作成の手順と現状
基本的には他の科目と大きな違いはなく、有名大学の教授十数人から成る問題作成委員が過去の出題例や平均点を主な参考資料として作問し、委員間での度重なる検討会・他の有識者によるチェック・必要に応じての作り直しを経て、1年を費やして完成させます。委員としての任期は2年であるため、よく2年周期で問題のマイナーチェンジが起こります。ただ、印象が変わるほど大幅に変更されることはまず無くて、せいぜい各大問につき1〜2問までです。
本文の内容を読解できたかどうかを測るのに最適な文中表現に傍線を引き、その表現に関して問題を設定します。問題を設定後、まずはじめに正解となる選択肢の作成が行われます。正解の選択肢には絶対的な客観性が必要です。すなわち、その選択肢が紛れもない正答であるという、誰も文句のつけようのない確かな根拠を持っていなければならないということです。
その次に“紛らわしい”選択肢、すなわち一見すると正解の選択肢に見えてしまうが、実のところ不正解である選択肢を作ります。この類の選択肢に不可欠な要素は次の2つです。

@多くの受験生を惑わせ、その選択肢を選ばせること
Aいかに紛らわしくてもそれが不正解である絶対的な根拠を持つこと

すなわち、多くの受験生をミスリードして平均点を下げたいが、いかなるクレームも跳ね返せるような不正解としての絶対の根拠もなければならないということです。
事実上、センター試験国語の出来はその「正解の選択肢」と「紛らわしい選択肢」をしっかりと識別・区別する「精度」に直接左右されることになります。運が悪いと、その「2択」をことごとく間違え、壊滅的な得点に終わるということも十分にあり得るのです。ただし、次の項目でも述べますが、極端な話、その「2択」を全て誤ることさえも出題者の意図の中にあり、単純な確率上のことではないことは理解しておいて下さい。あと補足ですが、評論問題を中心にこの“紛らわしい”選択肢に該当するものが作られない場合もあります。そのような問題は大抵はいわゆる「サービス問題」となっています。

最後に残る3つの選択肢として、明らかに正解とは言えないと判別できる(しやすい)選択肢がつくられます。これらの選択肢は最低限の読解力(一概には明示できませんが中学卒業レベル位が目安)を以てすれば、どの受験生にも迷う余地なく不正解と分かるようになっています。

以上の手順を以て、評論・小説・古文・漢文各大問がつくられていきます。この作問の手順をしっかりと覚えておいてください。なぜならば、次の項目で説明いたしますセンター国語の解法テクニックの根幹をなすものは、「この作問手順を逆に辿っていくこと」であるからです。