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数学の学習に関するQ&A数学の学習の壁を破るきっかけに

数学の学習の過程で生じやすい問題とその解決法

★私が今まで指導を受け持った受験生に質問されることの多かった、数学の学習の過程で生じる諸問題について、その解決へのヒントとともに紹介しております。
よく見られた(質問を受けた)ケースから順番に説明していきます。皆さんの数学の学習においても、おそらく同じような問題が立ち塞がるかと思います。その時はこのページに取り上げている事項を参照なさって、解決に向け有効活用してください。


●ケース1:問題設定の分析や計算処理の速度が遅く試験時間内に解答が終わらない

※非常に良くある質問です。このような問題に対する解決策は、問題演習の積み重ねにより「慣れる」ということしかありません。「回転体の体積値はπ(パイ)が付いてないとおかしい」「今出した答えは何か数値がおかしいな・・・たしか以前解いた類題にこのような形の式が出てきた筈・・・」などといった重要な「感覚」も日頃の問題演習の賜物なのです。

●ケース2:つまらない計算ミスをいつもしてしまい、気を付けていてもなかなか克服できない

※計算ミスの原因は殆ど次の2点に集約されます。
1:頭の中で計算処理を行っている
この点は否定する方もおられるかもしれませんが、文字の読み違いや書き違いといった数学云々以前の凡ミスを除けば、ほぼ全例において当てはまる原因なのです。
実例を挙げて説明いたしましょう。−b(c+3d−e)=a/3 → a+3bc +9bd−3be=0というような変形について(この変形は合っています)考えてみます。実際にこれは「両辺に3を掛ける」「展開をする」「式の移項をする」という3つの手順を踏んでおり、その結果をまとめて上記のように表記しております。
実はこの複数の計算処理を一度に行うということが計算ミスを誘発する最大の原因となっているのです。複数の手順を実行する以上、最も注意を注ぐべきこと関してはそれなりに慎重になるのに対して、その他の手順は須らくほぼ無意識下で実行しがちで、その分注意散漫にもなります。
有効な対策としましては、計算処理に慣れるまでは一つずつ計算手順を実行していき各々解答用紙に記していくということに尽きます。上記の例で言うならば、−b(c+3d−e)=a/3 → −3b(c+3d−e)=a →
−3bc−9bd+3be=a → a+3bc+9bd−3be=0 というふうに解答していきます。

2:検算を怠っている
検算を行う意義は計算ミスがあった場合にそれを発見することにあります。数列の問題などにおける数値確認のみにとどまらず、究極的には一つ一つの式変形ごとに検算によるチェックを行っていく事が完全な防止策となります。例えばある関数の原始関数を求めるという手順を実行したら、必ずその結果を微分して、元の関数に一致するかどうかをきちんと確認したり、2bc−3b−3c=0 → (2b−3)(2c−3)=9という変形をしたら、逆に結果の式を展開・変形して元の式に戻るかを確認するというようにです。
初めは効率が悪い作業に思えるかもしれませんが、次第に早く、最終的にはほとんど無意識下で実行できるようになります。この段階まで到達できれば実際の試験におけるミスはほぼ皆無となります。

●ケース3:中学数学の履修内容があやふや、あるいは自信がない

中学数学は高校数学において主に基礎的な計算ツールとして用いることになります。高校入試の難問を解くためのテクニックがそのまま大学受験数学において必要となることは殆どありません。したがって中学数学がどれほど身についているかについてそれほどデリケートになる必要性は無いと思います。一応義務教育で国民全員が一度は学んだことですし・・・。それでも再受験生の方で受験再開までのブランクが長くて不安を感じておられるケースもある事と思います。そのような場合は本格的な高校入試問題集を購入したりせずに、もっと簡単なツールで確認しましょう。
中学数学の基礎力を確認するのに最適な手段として「中学数学の基本問題」というサイトを参照するという方法があります(このワードで検索すればトップに表示されますのでリンクはしません)。