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センター国語の概要HEADLINE

センター国語の独特の問題形式や特性について把握しましょう

★さてここから本題に入ります。まずはセンター試験国語の出題内容や制限時間・配点からまとめます。

※出題内容について
大学入試センターの発表によるとセンター試験国語の出題範囲について、【「国語総合」「国語表現T」の内容を出題範囲として近代以降の文章および古典(古文・漢文)を出題する】とあります。このように述べられてはいますが、現行のセンター試験が導入されて以来、問題は一貫して大問4題構成で第1問は評論文・第2問は小説・第3問は古文・第4問は漢文と完全に固定されています。今後もこの問題構成に変化はないでしょう。というのも、現在の出題形式をもって平均点は多少の誤差はあれど例年安定しており、きちんと受験生の選別を行うという役割は一応は果たせている(あくまで数字上では)ので、下手に問題構成を大幅に変えることで平均点に大きな変動を起こすというリスクを冒すということはセンター試験の存在意義という観点から考えにくいからです。よって当ページにおいてもこの問題構成(順序)を前提として話を進めてまいります。

※制限時間・配点について
センター試験国語の制限時間は一貫して80分であり、配点は各大問50点ずつ・合計200点満点となります。ただし、センター利用入試を導入している私立医学部の中には、国語のうちセンター現代文のみ(評論文と小説)を入試科目として指定している大学があります(関西医科大学など)。しかし、センター試験ではそのような事情に関係なく、制限時間80分にて試験が実施されます。したがって、これらの大学のみ志望しているという受験生であれば、80分の制限時間を目一杯用いて現代文の解答に充てるという作戦も極めて有効です。
また配点について、200点満点というのは大学センターの定めた配点であり、各大学には独自に科目毎の傾斜配点が認められているため、皆さんの志望大学で国語が全配点中どれくらいの割合を占めるかを大学別傾向対策のメニューにてご参照ください。


●センター国語の特性
ここでは、センター国語という試験形式について若干の考察を加えつつ、その対策に取り掛かるにあたっての基本的な心構えについて説明していきます。これにより、センター国語に対しての“漠然とした難しさ”といったイメージが少し和らいで攻略への見通しが立つでしょう(具体的な方法論は次の項目以降に述べますので、ここは概略だけを論じます)。
まずは、センター試験国語に関しての大学入試センターの意向について確認しましょう(正式に発表しているわけではありませんが)。推察するに、標準的な形式・レベルの国語の問題を出題することで、50万人を超える大勢の受験生の“入試時点での基本的な読解力・論理力”を正確に測り、かつ各大学が適正な入試選抜を行えるようしっかりと序列をつけることが大義名分ではないかと思います。
しかし残念ながら、センター国語は「試験としては」受験生の読解力を正確に測るのに適しているとは言えません。ご存じの通り、センター試験は全て選択式の解答形式です(数学だけは厳密な意味では違いますが)。したがって記述式と比べると、完全な正答を導くのに必要なプロセスが圧倒的に少なくて済みます。すなわち部分点などは無く、偶然や勘で正解しても満点が与えられるということです。逆に、論旨を9割方理解していたとしても、ほんの少しの不注意や見落としがあるだけでその問題は0点、勘で正解できた受験生より劣っているという評価となります。これだけでも、センター国語の点数と“国語力”に必ずしも相関関係は無いことが分かるでしょう。センター国語はあくまで「センター試験国語」という科目であり、それ以上でも以下でもありません。したがって、“センター国語に特化した学習”というものがどうしても必要になってくるということです。

以上のようなことを言うと、“センター国語は国語力養成には全く価値がない”というように誤解される人が多いためここで補足しておきます。私がここで述べたいのは、センター国語は解答形式が選択式であるが故に“受験生の国語力を正確に評価する”ツールとしては向かないということであり、問題の質そのものについて論じているわけではありません。
むしろ、題材となっている文章や問題についてはこれ以上質の高いものは、国立(私立)大学入試問題には中々見当たらないとまで思っています。各大学から選抜されたセンター委員(大抵は教授)が丸一年かけて知恵を結集して(出題に関して教育関係者から一切の苦情が出ないように細心の注意を払いつつ)作成するものなので、そのクオリティは推して知るべしであり、少人数の予備校講師が普段の講義の片手間に作るマーク模試問題ではとても再現不可能でしょう。したがって、センター国語で高得点を取るという目的を達成するには、実際のセンター試験の問題にあたることが最も有効な手段となります。
またさらに、東大理V・京都大学・名古屋大学といった2次試験でも国語が課される大学を志望される方は是非ともセンター試験の問題を二次対策としても利用されることをおすすめします。設問はそのままに、解答は選択肢に頼らずに自力で白紙に書き出してみる・・・といった具合に問題を解いていきます。模範解答はもちろん、正解の選択肢そのものです。
ともかく、センター試験の問題はセンター国語対策の為の「最良の教科書」であること、またセンター国語を制するにはそれが選択式の試験であることに起因する特有の方法論があること、この2点をこの項目のまとめと致します。しっかりと心に留めておいてください。